雲ひとつない快晴の空を見て仁徳天皇は思いました。「民のかまどから煙が上っていないのは貧しいからに違いない」 税の取り立てをやめて館も衣服もボロになったが、3年後に同じ場所に立ち、かまどから立ち上る煙を見て「豊かになった」と喜んだそうな。 名前の通り日本書紀などに善政を行ったと記録が残る第16代の古代天皇だ。もっとも神功皇后と神様の間に生まれた応神天皇が父親という時点で実在したかは怪しいが。 しかし、少なくとも記紀が編纂された奈良時代には、為政者は国庫よりも民の暮らしを大切にすべしという理想像が定着していたのだろう。 ボロ服を着ろとは言わないが こんな話を持ち出したのは、数日前に新型コロナ禍による財政悪化を補うには、消費税のさらなるアップを軸に検討すべしとの記事を読んだからだ。 「消費増税中核に」 政府税調、財政悪化を懸念:時事ドットコム こういった意見が出たのは、安倍晋三首相の諮問機関・政