不十分なITガバナンスのもとで,日本企業の情報システムは長年の間にブラックボックス化を進行させてきた。業務とITの分解はおきざりにされたまま,短期的なビジネスニーズに対応し続けてきた結果である。この状態を放置していれば,変化即応の組織に変わることもできなければ,SOAやSaaSを使いこなすこともできない。そうした問題意識から,すでにいくつかの先進企業は動き始めている。 前回(第3回)では,日本企業の情報システムが長年as isをベースに増殖し,スパゲッティ化したメカニズムを説明した。ITの全体像を理解している技術者はごくわずかで,古くから動いているシステムでは,その中身を誰も分からないというケースも少なくない。まさに,ブラックボックス。しかも,そのわずかな技術者さえも退職を間近に控えている。 こうした状況を変えたいとIT部門も考えている。アクセンチュア素材・エネルギー本部長の樋田真氏は「業