二重、三重の意味合いでタイトルに偽りなし。「青春少年マガジン 1978~1983」は、「ホワッツマイケル」「柔道部物語」などのヒット作を生み出した小林まことが「週刊少年マガジン」でのデビューから、出世作「1・2の三四郎」時代までを振り返った青春記で、小林版“まんが道”という趣だ。 本作に詰まっているのは、小林の「青春」時代と「少年マガジン」。「青春」という言葉が持つ熱さやこっけいさ、「少年マガジン」のイメージである、汗臭さや笑い、男のリリシズムも満載。それは小林まこと作品の魅力そのものであって、味わいのある作品となっている。 持ち込み作品「格闘三兄弟」が評価され、新人賞を受賞した19歳の小林まことは、飲まず食わずの生活から、賞金100万円(当時のサラリーマンの月給6万円)を手にして大喜びしながらも、授賞式には大遅刻。さらに連載時に締め切りを少しでも引き延ばそうとして編集者と“攻防”、梶原一