マイホームの税務相談会というのがある。若い夫婦が訪れてくるのだが、奥さんの独壇場だ。税金のこともよく勉強している。ダンナは子守役で口を差し挟むことは許されない。奥さんの後ろでウロウロしているばかりだ。「こんな安い給料でマイホームなんて論外でしょ」という言葉がのど元まで出てくる。 サラリーマンは安い給料でこき使われ、いつクビになるか分からない「ハイリスク・ローリターン」の哀れな職業である。それなのにいまだにマイホームを買おうとするバカが多いのには呆れる。 雨露さえ凌げればマイホームであれ、アパート住まいであれ、変わるところはない。「アパート住まいでは何年家賃を払い続けても“自分のもの”にならない」というが、マイホームといっても借金して買うのだから実態は“銀行借家”だ。借金を払い終わった頃には家はボロボロだ。“自分のもの”というのは錯覚にすぎない。金もないのに分不相応にマイホームを欲しがるから