「ある縫製工場では、来日1年目の外国人実習生は時給200円。2年目に50円昇給。3年目にようやく時給300円。経営者は実習生を『うちの子』と呼びながら、過酷な労働を強いる。私は、これがレイシズムや人種差別、排外主義に結びつくと考えている」──。 秘密保護法違憲訴訟東京原告団講演会が2015年4月21日、東京都千代田区の岩波セミナールームにて開催され、ジャーナリストの安田浩一氏が「外国人労働者問題と秘密保護法」と題して講演を行った。 安田氏は、外国人実習生を労働者とみなさず奴隷扱いする社会が、レイシズムや人種差別を生むと指摘し、「人を人として見なくなる。それが、外国人実習制度だと私は思っている」と述べて、オーバーステイのためパスポートを提示しなかった中国人実習生が、警察官に射殺された事件に言及した。 「時給400円で3年間働き、いよいよ明日、中国に帰るという日、経営者から預金通帳を渡されて、