皆既食中の月は、真っ暗になって見えなくなるわけではなく、「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる赤黒い色になります。一方で天体は低い高度では、高度の高い時よりも私たちに届くまでに大気の影響を大きく受けて、本来の色よりも赤みが強くなります。今回は部分食のころからすでに月の高度が低いので、皆既食になる前から赤みがかって見えるかもしれません。また、皆既食のころにはすでに空が明るくなり始めているので、皆既食中には、月が見えなくなってしまうかもしれません。部分食のころから観察を始めて、普段と違う月と地上の風景を楽しみましょう。 月食中の月の位置については以下の図をご覧ください。月のそばには最接近を目前に控えた火星が明るく輝いています。 画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480) 各地での月食中の月の位置や欠ける方向は、暦計算室の「月食各地予報」で調べることができます