「書店や書籍取次会社が不要になるなんてとんでもない。紙と同じように電子の本もうちが預かる」 本の流通を担う書籍取次大手、トーハンの飯島信太郎・情報システム顧問は電子書籍の普及で苦境に陥るとの見方を一(いっ)蹴(しゅう)したうえで、販売サイトと読者が直結するアマゾン・ドット・コムなど米国型プラットホーム(課金・流通の仕組み)への対抗策に自信をみせた。 トーハンは、250万タイトルの紙の本を扱うネット通販「e−hon(イーホン)」に電子配信機能を加える方向で整備を急いでいる。読者が紙か電子かを選び、電子ならばどんな端末でも読めるようにする「ハイブリッド型」サービスだ。書店も一定の役割を担い、業界全体が潤う仕組みを年内にも開始する。 ただ、日本の場合、書籍の電子データは出版社ではなく印刷会社が保有するケースが多い。大日本印刷と凸版印刷の「2強」はともに4万タイトル以上のデータを持ち、電子書籍の取