少し遅くまで眠ってしまう。慌ててPCをぽちぽちとやって(途中、「しま」が階下で啼きはじめて、行ってみると、きょうの要求は、窓を開けて網戸にして風を入れてくれ、だった)、プラズマみかん*1という劇団の『わんころが揺れ雲をめぐる冒険』の劇評*2を書き終える。もう疾うに書き終えてアップしていなければならないものだったのだけれど……。 江藤淳という批評家は、その生涯の大半を、妻と犬と「家族三人」で暮らしたひとだが、彼がこんなことを書いている。 「それにしても、犬を飼う愉しみというのはいったいなんだろう? それは、ことによると、うつむいていつくしむ生きものが身辺にいることの充足感、といったようなものかも知れない」。猫ならしばしば、私たちの視線よりずっと高い場所へ登ることもある。しかし犬ならば、たとえどんな犬種であっても、「とにかく少し顔を伏せて、視線を落して見る、というのが、私ども人間の自然の姿勢で