オンライン出版やオープンアクセスは、学術誌、学術論文へのアクセスを飛躍的に向上させ、政策的にも注目されてきた。一方、「Predatory Journal」をはじめとした影の側面も浮き彫りとなった。「Predatory Journal」は、悪徳雑誌、粗悪学術誌やハゲタカジャーナルとも呼ばれ、掲載料収入を主とした自己の利益を優先し、査読やその過程が不十分であったり、誤解を招くインパクト指標(インパクトファクター風の指標や数値)を使って投稿を勧誘したりといった問題を孕(はら)んでいる。 本稿では、オープンアクセス型学術誌の興隆について最初に論じ、「Predatory Journal」問題について事例を交えて実態や動向を俯瞰する。あわせて、判断の基準となる観点について、Predatory Reports(Cabell's International社)を参照し、例示する。 これらの内容やそれを踏ま