ひどい保守反動をみせて、後半から単なるメロドラマに回収されていく、見る価値のない作品だった。一応見た直後の感想だけメモをしたが、以下も同様に読む価値がない。 ・ 1話:冒頭の、「それ」「なにか」という空虚な対象への言及が、すでにして切実。切実だが、切実さの形式しかない。実質をともなわない切実さというのが、この種の文化のなかで醸成されていることは、ほとんど疑いない。リュージがタイガにはじめてだす食事が、ご飯もの(チャーハン)である点は、おそらく重要なのだろう(宮崎駿における食事についての、あびゅうきょの指摘を思いだすこと)。家族の主題が、ものすごい勢いで再話されている。麻枝以来、文章表現においても執拗に展開されてきた問題系である。その点で、あの奇妙なインコの(父の影としての?)不穏な機能は見落とせない。しかし、登場人物がコミュニケーション不全ならなんでもいいのかとも思う(不全が、実質と無関係