欧州制覇までの道のりを回顧 ルイス・スアレスがもたらしたロジャース前体制の崩壊 「3年あれば一度くらいは優勝争いができるはずだ」 2015年10月8日、リバプール監督に就任し、3年契約を結んだばかりのユルゲン・クロップが発した言葉である。ところが英メディアには、これも新任監督にありがちな楽観的発言で、真剣に受け止めたという雰囲気はなかった。 確かに「カウンター・プレス」と英訳されたエネルギッシュなプレス戦術を操り、ドイツでドルトムントを率いてバイエルン・ミュンヘンという“巨人”を二度打ち倒したことがある長身のドイツ人監督は、非常に陽気なエネルギーに満ち溢れ、何かやりそうな気配はあった。 しかし、当時の英メディアの反応は『ちょっと面白そうな男がやって来て、威勢のいいことを言った』というくらいのものだった。 それも解任されたブレンダン・ロジャース(現レスター・シティ監督)がパニックに陥り、チー