関東大震災直後に各地で起きた朝鮮人虐殺を巡り、東京都世田谷区は、区内の烏山、世田谷両地域であった朝鮮人殺傷に触れた企画展を区立平和資料館(池尻1)で開いている。東京都の小池百合子知事が虐殺犠牲者への追悼文送付を見送るなど、行政側が過去の過ちに触れることに後ろ向きとも受け取られる姿勢がみられる。今回の展示の意図について、区は「災害時でも冷静な行動がとれるように」との教訓を込めた。(奥野斐) 企画展は、災害がもたらす「平和ではない状態」から流言飛語が生まれ、朝鮮人殺傷が起きた状況や対応を、内閣府中央防災会議の報告書や警視庁の資料を抜粋し、パネルで掲示している。「朝鮮半島出身者等を狙った襲撃や撲殺事件等が起きたことも忘れないでいたい。犠牲となられた方々に心からの追悼を捧(ささ)げる」と記した保坂展人区長のメッセージパネルも並ぶ。 展示の契機は、2021年9月の区議会。X(旧ツイッター)で、虐殺犠