世間では「楽しむことをやろう」「好きなことをやろう」という言説を頻繁に目にする。確かにその通りだと思うし、自分自身、そのようなことを何度も発言している。が、それだけでは足りないとも思う。それだけでは半分だと思う。楽しもうとか、好きなことをやろうとか、そればかりでは「疲れてしまう」とか「それだけでは満たされない何かがある」と感じることは、実は、誰のなかにもあるんじゃないのかなと思う。 人が大勢集まる場所に行くと思う。誰もが名刺を差し出しながら「自分はいかに付き合う価値のある人間か」ということを、必死にアピールしているように見えることがある。面接にも似た感覚を覚えるし、先日、ツイッターを眺めながら似たことを思った。自分を含めた現代人の多くは自転車を漕いでいる。その自転車を漕いでいる間だけは、そのひとにスポットライトがあたる。自転車を漕げば漕ぐほどに「素敵!」とか「格好いい!」とか「ありがとう!