今年3月、京都府亀岡市で観光客を乗せた「保津川下り」の船が転覆し、船頭2人が死亡した事故で、運航会社は12日、事故のきっかけとなった船頭の転落を防ぐ安全対策などの再発防止策を公表しました。 事故はなぜ起きたのか、転覆した舟の乗客が撮影していた映像から振り返ります。 (京都放送局 記者 藤井多聞) 舟に何が起きたのか 「保津川下り」の転覆事故で、当時この舟に乗っていて救助された乗客の1人がNHKの取材に応じました。 女性は娘とともに前から2列目の席に座り、娘は当日、スマートフォンで川下りの様子を撮影していました。 撮影された映像では、冒頭、船頭が巧みな話術で乗客を楽しませ、舟は笑い声が絶えません。 その船頭の様子が「大高瀬」と呼ばれる急流に入る直前で一変し、突然、「あかん、あかん、あかん、後ろ行け、後ろ行け」と叫ぶような声を上げます。 舟の後方でかじを取っていた船頭が転落した瞬間とみられ、別