今年末の先行リリースが予定されているValveの「HTC Vive」から始まり、2016年には「Oculus Rift」や「PlayStation VR」と、VRヘッドセットの到来が近づきつつある。ヴァーチャル・リアリティの世界は様々な体験をユーザーにもたらすことになるだろうが、そうなれば“こういった作品”の登場も今後予想されそうだ。アメリカで2001年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」を、被害者の立場で追体験するVRデモ『8:46』が無料公開されている。 まず断っておくと、この作品は現実世界で起きた重大な事件を茶化す「不謹慎ゲーム」の類ではなく、あるいは宗教的な考えや政治的なメッセージ性が盛り込まれているわけでもない。ただただ淡々と、「9.11事件」の被害者の立ち場を追体験する作品である。プレイヤーは世界貿易センタービル北棟の上階フロアにて働いてた社員となり、火災が発生した