祖父が亡くなったときに起こった不思議なことが、今でも実家の家族の話題になります。 特に鳴家やなり に関しては「実例」のようなものが家族内で共有されています。 「誰々が亡くなったときには」、「どこそこのおばさんが危篤になったときには」など、いくつかのエピソードがあって。 法事で集まった際には一通り話の内容が再確認されます。 【沙河】昭和五一年~昭和五二年 (十四)② 夕食が出た。お酒を飲みながら、大人たちが話をしていた。 「背中に、何か重たいものが乗ってきたような感じがしたのさ」 父が親戚の人たちに話していた。母の実家の祖父母を車で送っていた時のことのようだ。 不動坂という長い坂を車で上っていた時のことらしい。 「なんだか、急にしんどくなってきてさあ。急に肩に重たいものが乗って来たような気がして。変だなあって思ったのさ。だけど、何だかよくわからなくってさあ。バックミラーが気になったんだ。でも