米中戦略経済対話 温室効果ガス、数値目標に踏み込まず (1/2ページ) 2009.7.29 17:56 【ワシントン=渡辺浩生】米中戦略経済対話が28日、閉幕し、両国は貿易不均衡を是正しバランスがとれた経済成長を促進することで一致した。地球温暖化やエネルギー問題での協力強化をうたった覚書にも署名した。世界規模の課題に対する2大経済大国の協調ぶりをアピールすることを最優先し、利害が対立する為替問題や温室効果ガス削減の数値目標での踏み込んだ議論は棚上げされた。 米国が過剰消費体質を改め貯蓄率を上げ、中国は米国向けを中心とした輸出主導から内需主導の成長へシフトする−。貿易不均衡の是正で米中が合意したことは「世界経済全体にとっても重要な成果だ」とガイトナー財務長官は強調した。 ただ、「米中が21世紀を形づくる」とオバマ大統領が演説するなど、両国の急速な接近を演出することに神経が注がれた半面、利害
【ワシントン=山本秀也】28日閉幕した米中戦略経済対話で、両国は中断していた米中軍事交流を再開することで合意した。国務省の発表によると、中国軍の制服組ナンバー2にあたる徐才厚・中央軍事委員会副主席が、ゲーツ国防長官の招きで年内に訪米することが決まった。 米中の軍事交流は昨年10月、当時のブッシュ政権が台湾に改良型の対空迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)など米国製武器を売却した報復として、中国が中止を通告していた。 記者会見した王光亜・中国外務次官は、交流中断の原因を米側の「誤った決定」によるとして、改めて台湾への武器売却を批判。今回の対話で、「ひとつの中国」政策を米側が堅持することを確認したほか、台湾問題には「慎重な対処」を米側に要求したことを明らかにした。 今回は、初めて米中両軍の将官級高官が参加した。キーティング米太平洋軍司令官は28日、対話会合の初日に「中国海軍の少将と軍事交流
【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領は27日、米中戦略経済対話の冒頭演説で、中国の思想家、孟子の教えを引用し、米中両国の相互理解を促した。だが、孟子の一節には、大統領が引用しなかった現状を憂える言葉が残されており、あえて引用を控えることで、米中の現状に対する懸念を暗に中国側に伝えたとも読めそうだ。 オバマ大統領が引用したのは、孟子「尽心章句」の一節。「山中の小道は、人が通ってこそ道となる。しばらく通らなければ、茅(かや)でふさがれてしまう」と引用した上で、大統領は「子供の世代のために誤解や埋めがたい溝を避けるよう努力を」と訴えた。 これは、米中の相互理解には絶え間のない対話が必要だと述べたものだが、孟子の原文には、引用部分に続き、「いま茅があなたの心をふさいでいる」という一言が残されている。ここまで読むと、米中関係の現状は、意思疎通を欠いた結果、相互理解が欠落しているという懸念が浮かび上
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