【北京=矢板明夫】中国領内の離島の生態を保護し資源開発を管理する「海島保護法案」が、年内に成立する見通しとなった。これまでずさんだった無人島の管理を強化し、海洋のエネルギー、漁業資源を守ることが狙い。だが、法律が成立すれば、東、南シナ海などで領有権を争う周辺国との摩擦が再び高まる可能性もある。 中国国家海洋局の調べによると、中国近海には面積が500平方メートル以上の離島は約7000あり、そのうち約93%が無人島だ。地方政府、国家海洋局、軍などが島々を管理しているが、名称がない島は1400以上にものぼり、多くの島は長い間「無法地帯」の状態に置かれてきた。 近年、開発業者による無計画な採石などで、島の生態は深刻な影響を受けた。消滅した島も多い。1990年代と比較すると、遼寧省沿岸で48島、河北省で60島、福建省で83の島が消えたと報告されている。 全国人民代表大会(全人代=国会)の常務委員会で
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は26日、生態環境と海洋権益の保護強化のため、離島の管理方法などを定めた島しょ保護法案を可決した。来年3月1日から施行する。 中国は東シナ海や南シナ海で、尖閣諸島(中国名・釣魚島)などの領有権をめぐり日本や東南アジア各国と対立しており、権益保護を一段と強化することで摩擦がさらに強まる可能性もある。 島しょ保護法は住民のいる島と無人島の両方を対象とし、無人島の所有権は中国政府が行使すると規定。環境保全や資源保護のため乱開発を禁止するとともに、開発する際の手続きなどを定めた。 特に領海の基点となる島や国防施設のある島は、開発許可を厳しく制限。違法な開発に対しては最高50万元(約670万円)の罰金を科すほか、場合によって刑事責任も問うとしている。(共同)
【北京=野口東秀】中国は日本が国連に申請している沖ノ鳥島(東京都小笠原村)を基点とした大陸棚の拡張について、同島は「岩」であり「日本の排他的経済水域(EEZ)には含まれない」と強硬に反対している。背景には、日本が同島を対潜ヘリコプターなどの自衛隊機が離着陸できるように造成すれば、中国海軍の外洋戦略にとって障害になることへの懸念があるようだ。 沖ノ鳥島は、周囲約10キロのサンゴ礁からなる日本最南端の無人島。満潮時には2つの小島が海面に出ているだけで、満潮時に海に隠れてしまうとEEZが失われる恐れがある。日本政府は周囲に防護壁を造るなどの保全策を取っている。 日本は昨年11月、沖ノ鳥島を基点とした大陸棚の拡張を国連大陸棚限界委員会に申請。これが認められれば、沖ノ鳥島だけでも日本国土に相当する約42万平方キロメートルのEEZで日本の主権的権利を及ぼすことができ、石油や天然ガス、レアメタル(希少金
日本が太平洋南方海域での大陸棚拡張を申請している国連の委員会で、中国が、申請の根拠となっている沖ノ鳥島(東京都)は「岩であり、大陸棚を設定する権利はない」として、公式に反対を表明していることが25日、分かった。中国の国連代表部が24日からニューヨークの国連本部で始まった大陸棚限界委員会に意見書を提出した。 中国は東シナ海で拡張の予備申請を行うなど海洋資源開発に高い関心を示しており、反対表明で日本の海洋権益拡大をけん制する狙いとみられる。 中国の国連代表部は意見書で「沖ノ鳥島には人間は住めず、経済生活は営めない。大陸棚を設定する、いかなる根拠もない」と指摘、多くの国が同様の懸念を持っており、委員会は日本の申請を取り上げるべきでないと主張した。(共同)
(2009年7月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 中国と日本では政治の歯車がゆっくりと回転することが多いが、アジアの2大大国間の関係において恐らく最も危険な断層を修復する話になると、その動きは完全に停止してしまったように見える。 日中両国政府が、争点になっている東シナ海の海域でガス田を共同開発するという画期的な取り決めを結んでから1年以上経つが、両国の政府高官はこの合意をどう実行するかについて、詳細を詰めるための本格的な会合をまだ開いていない。 2008年6月の合意に関して行動が見られないのは問題である。アジアで最もエネルギーを必要とする2国によるガス田を巡る反目は何年もの間、いつ燃え出してもおかしくない安全保障上の火種と見られてきた。海に位置しているからと言って、火がつきにくくなるような問題ではない。 共同開発合意から1年、一向に進まない協議 欧州にとって独仏の友好関係が
フィリピンのアロヨ大統領は10日、南シナ海の南沙諸島を自国領土とする法案に署名した。天然資源が豊富な南沙諸島は、中国やフィリピンなど6カ国・地域が領有権を争っている。 法案成立であらためて領有権を主張した形だが、中国政府は11日、在フィリピン大使館を通じて「中国固有の領土で、フィリピンの主張は妥当ではない」と強く抗議した。 国連海洋法条約に基づく海洋資源開発権確保のため領土、領海を明確化する法案。フィリピンのような群島国では、島と島を結ぶ線を引き、その内側に主権が及ぶとされるが、法案は南沙諸島を自国領土とする一方、島と島を結ぶ線の外側に位置付けて事実上「主権外」とし、中国など関係国への配慮もうかがえる。(共同)
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く