【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=高野弦】与謝野財務・金融相は3日、金融危機でアジアの国が外貨不足に陥った場合、円建てで約6兆円を融資する支援策を発表した。日本が危機への対応として円の融資を表明するのは初めて。ドル資金をアジア域内で融通する「チェンマイ・イニシアチブ」(CMI)への384億ドル(約3兆8千億円)の拠出とあわせ、緊急時を想定した日本のアジア向け資金協力は10兆円規模となる。 6兆円の支援策は日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による財務相会議で表明した。通貨危機の連鎖を防ぐとともに、円の利用拡大が狙い。 約10年前の通貨危機を経てアジア各国は外貨準備を積み上げてきた。現状で危機に直面する可能性は低いものの、欧米の不況で輸出が減少し、一部で外準の残高も減少に転じ始めた。このため、予防的な措置を強化する必要性があると判断した。さらに、アジアで台頭する中国・人