【北京=矢板明夫】年明け早々に発表された中国外務省の高官人事で、ひときわ注目されている異動がある。若手のホープと目された何亜非外務次官(54)の退任である。先の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での過激な発言の責任を取らされての更迭だとか、駐米大使転出への前段ではないかとか、今後の処遇も絡んで相反する憶測が飛び交っている。 4日発表の人事で日本の関心を集めたのは当然、崔天凱氏が外務次官に昇進、後任に程永華駐韓国大使が回るという駐日大使交代だった。だが、欧米メディアや中国国内世論が注視したのは何次官退任の方だ。 浙江省出身の何氏は駐国連参事官、駐米公使などを経て、2002年から約4年間、米州大洋州局長を務めた。外務省きっての米国通として知られ、08年7月に外務次官に抜擢された。