筆者が所属するNRI(野村総合研究所)はシンクタンク系のコンサルティング会社として認知されていることをよく伺うが、近年ではSI企業としての特徴が濃くなってきている。最近お客様からは、コンサルティングとSIのそれぞれの専門性を捉えた、システム運用に関するコンサルティングの依頼が急増している傾向にある。これらの依頼から現状のシステム運用に関する問題点を洗いだし、筆者がシステムコンサルタントとして培った経験の基で、システム運用についてもう一度考え直してみる。 2000年頃までは表1に示すような、情報化の運営面における妥当性やコストの可視化に関するテーマが中心で、企業経営に対して情報システム部門が自らの活動の正当性や妥当性を説明するものが多かった。いわゆる「アカウンタビリティを確保する」ためのテーマである。