デンマークのルドロジストであるジェスパー・ジュール氏が執筆した、ゲームの定義の決定版ともいえる論文 "The Game, the Player, the World: Looking for a Heart of Gameness" (2003) を翻訳しました。ゲームとは何ぞやという問いかけに対して、今のところもっとも有効であろう答えが、ここに示されています。 ゲームの定義というと「クロフォードのゲームデザイン論」や「コスティキャンのゲーム論」の提唱したものが有名ですが、ジュール氏のそれは、昨今注目を集めている『ルールズ・オブ・プレイ』に示された定義を足掛かりに、さらに徹底した探求を試みたものです。氏はこの論文で、理論と実際の狭間を縫いあわせるべく、かつてないほど広範かつ緻密な定義の検証を行っており、その成果は「現存するあらゆるゲームに照応できる定義」という、先人たちのなしえなかった業績