「ケガを引退の理由にしたくはない」 151もの縫い跡を自らの身に刻んでも、決して体を甘やかしたりはしない。ウエイト・トレーニングでは重い負荷をかけ、傷ついた分身を鍛えまくる。 故障を未然に防ぐだけなら、トレーニングは控え目にしたほうがいいだろう。だが、それでは老いていく肉体を覚醒させることはできない。ひいては、納得のいくボールを投げることもできない。 たとえ健康や安全を犠牲にしてでもたどりつきたい場所—館山はそこを探し続けている。 「野球とは相手と勝負できるスポーツ。つまり相手がいる限りは抑える術もあるんです」 館山のヤクルト時代の先輩・藤井秀悟(巨人打撃投手)もトミー・ジョン手術の経験者である。球場で顔を合わせるたびに、会話をかわす。 3度の同手術から復帰した直後、館山はこう語ったという。 「左腕、右腕、ついには足の腱まで取って、もう僕には腱を取る場所がないんですよ」 感嘆の口ぶりで藤井
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