銅の価格は3月から3割余り下落している。世界的なリセッション(景気後退)に陥った場合、需要が損なわれるとの懸念から売られている。銅はコンピューター用半導体からトースター、電力システムやエアコンに至るまで、あらゆる用途に利用されている。 しかし、現在の相場を見ても分からないかもしれないが、大手鉱山会社や金属トレーダーは、あとほんの数年で銅が深刻な不足に陥ると警告している。銅不足は世界の成長を抑制し、製造コストを押し上げてインフレに拍車をかけるとともに、気候変動対策での世界的な目標の達成を危うくしかねない。また、最近の相場低迷とそれに伴う投資不足で、事態はさらに悪化する恐れがある。 ウェルズ・ファーゴの現物資産戦略責任者ジョン・ラフォージュ氏は「後に2022年を振り返って『しまった』と思うことになるだろう」と指摘。「市場は直近の懸念を反映しているにすぎない。しかし、本当に未来について考えている