文豪、芥川龍之介が所蔵していたフランスの小説の本に、恋心を表す花言葉を持つ押し花が挟まれていたことが日本近代文学館などの調査で分かりました。専門家は、芥川と初恋の女性とのやり取りの一端である可能性があるとみていて、「芥川の実人生で大きな揺れ動きのあった時期の貴重な発見だ」としています。 押し花は、芥川の遺族から日本近代文学館に寄贈されたおよそ2600冊の蔵書の調査で、フランスの作家、アナトール・フランスの恋愛小説「赤い百合」の英訳版から2点見つかりました。 植物学の研究者が押し花を調べたところ、「オオマツヨイグサ」という黄色の花と、薬草にも使われる「ウイキョウ」だと分かったということです。 このうち「オオマツヨイグサ」は、同じ仲間の「マツヨイグサ」の花言葉が“ほのかな恋”で、小説の中では、主人公の恋愛が成就し、「I love you!」などと叫ぶ場面に挟まれていたということです。 押し花の