「性交は男から迫ってくるもの。男は常に女のカラダを狙っている。とにかく自分の身を守れ」という性教育には「結婚相手とする性交だけが、唯一清らかで正しい性交である」という暗示が含まれている。それを信じて生きてきた女たちにとっての「結婚」とは、「性の大解放」の季節である。しかし、鼻息荒くウエディングドレスを脱いだ時、夫の妻に対しての欲情は激減しているのだ。何故? おかしい、こんなハズじゃない……。女はその時初めて知るのである。セックスをさせてもらおうと奮闘する事態が、(女の)自分にも訪れるという現実を――。 「入籍してすぐの頃、今日は絶対にやりたい! とすごくムラムラした日があって」 キレイに結い上げた髪に、シックな色合いの着物がキマっている春香(仮名)さんは30歳の専業主婦。結婚してから着物にハマり、普段出かける時はほとんど和服だという。これほどに華奢で可憐な彼女にも、己の性獣のたけりに苦しむ