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ブックマーク / shirooo305.hatenablog.com (6)

  • 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』1話の手の芝居と演出について - Paradism

    輪郭線や反射光・影の多さなど、これまでの京都アニメーション作品を振り返っても特筆して線量の多いデザインと言っても過言ではない今作ですが、その中でも特に印象に残ったのは手の芝居に関してでした。それも感情や想いがその手を動かしているよう感じられたものが多く、例えば冒頭でヴァイオレットが自問自答するシーンに合わせ描かれた芝居はそういった感情の表出がとても顕著だったと思います。 ぎゅっと胸元を押さえるような動き。言葉にできないものに触れようとする指先の加減。「心を持たない」と言われ、普段の表情も決して豊かとは言えないヴァイオレットですが、この芝居はそんな通説に反してとても感情的だったと思います。芝居自体は大袈裟なものではありませんが、「こういうの、なんと言うのでしょう」と語るヴァイオレットの言葉を体現するような手の動きがよりこの芝居を感情的なもの足らしめてくれていました。なにより、こういった芝居こ

    『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』1話の手の芝居と演出について - Paradism
  • 『小林さんちのメイドラゴン』1話の演出と武本康弘さんについて - Paradism

    ドラゴンの少女トールが小林さんの家に訪問してからの一連のシークエンス。上手側に小林さんを置くことで物語は彼女を主体に据えるところから始まります。つまりトールを自分の家で雇うかどうかの選択によってこの物語は始まっていくといことです。逆にトールが下手側に立つことで彼女が小林さんにとっての試練であるかのような印象も受けます。扉が上手く被さる(少し家を出たところで止まっている)ことで、自身のパーソナルエリアを守るようなイメージも合わさり、彼女の来訪が小林さんにとっていかに突飛であったかということが強調されているようで面白いです。自宅に入ってからもどこか視線を外したりと芝居が丁寧。 小林さんが「無理なものは無理」と断ってからの見せ方も凄く良くて、天候がガラッと変ったかのように室内の明度・彩度を落として、陰影でキャラクターの感情やその場の雰囲気を表現する(画面をアンニュイにする)のは武さんらしくもあ

    『小林さんちのメイドラゴン』1話の演出と武本康弘さんについて - Paradism
  • 話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選 - Paradism

    今年のアニメを振り返る意味も兼ね、今回もこちらの企画に参加させて頂きます。 ・2015年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 ・1作品につき上限1話。 ・順位は付けない。 集計ブログ様:「話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選」参加サイト一覧: 新米小僧の見習日記 選出基準の方は例年と同じく特に面白かったもの、感動させてくれた挿話を選定させて頂きました。それ以外は上記のルール通り、順不同、選出順等に他意はありません。敬称略で表記している箇所もありますが、その辺りはご容赦を。 無彩限のファントムワールド 11話 「ちびっ子晴彦くん」 脚:吉田玲子 絵コンテ:石立太一 演出:石立太一 作画監督:植野千世子 京都アニメーションの家族観。そんな枠組みのなか、石立太一さんで思い出されるのは『CLANNAD』14話。一ノ瀬ことみの回を彷彿とさせる要素も話で

    話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選 - Paradism
  • アニメにおける脚・足先描写の素晴らしさについて - Paradism

    『NEW GAME』3話を観て衝撃を受けました。3話は全体的に観ても大変素晴らしく、キャラクターたちの感情の乗り方やその想いを映して描かれる仕草への拘りが非常に色濃く出ていたわけですが、その中でもBパート終盤のベンチに腰を掛けてからの一連のシーンは溜息が出る程に凄く丁寧に描かれていたと思います。 あの瞬間、友人と嬉々として話す青葉がどういう感情を芽生えさせていたのかということが端的に読み取れるフィルム。自分の好きな作品を語っている内にどうしようもなく楽しくなってしまう心の変遷を、言葉ではなく、彼女の仕草で表現することでその想いが決して嘘ではないと寡黙に伝えてくれる足先の表情。 それこそ四肢の表情づけって見た目よりずっと大変な作業で作画的なカロリーもかなり高い難しいものですから、無理にそういうカットを入れる必然性って実はないはずです。でも、ああいうカットを入れる必要性はあったりして、それこそ

    アニメにおける脚・足先描写の素晴らしさについて - Paradism
  • 映像と音楽、物語の息吹 ―― ストーリー型OPと新海誠監督の親和性 - Paradism

    先ず一つの記事をご紹介させて頂きます。 ・ じゅじゅるさん。 『ストーリー型OPのすすめ』 こちらの記事を読んで真っ先に思い浮かべたOPがこちらの映像でした。 (minori works 公式チャンネルより) 『OPは作品の紹介の場である』 という当該記事での見方には大きく頷くばかりで、まさにOPの役割はそうした作品のメインテーマや登場するキャラクターの特徴を大きな括りで紹介するところにこそあるのだと思います。それは原作を持つアニメ、オリジナルアニメに限らず、まだその物語に触れたことのない視聴者を巻き込んでいく上で非常に重要な出会いの場であり、興味を引くための “あらすじ” にも成り得ると思うからです。 でもだからこそ、時としてそうした映像群はそれを手掛ける者の作家性や強過ぎる物語の匂いをフィルムそのものへと反映し、まるでその “あらすじ” が広大な物語そのものを捉えてしまうかのような現

    映像と音楽、物語の息吹 ―― ストーリー型OPと新海誠監督の親和性 - Paradism
  • テレビアニメOP10選 2015 - Paradism

    毎年恒例のこの企画に今年も参加させて頂きます。11月も終わりを迎える頃合いにこの記事を更新するのが当ブログの通例ということで、少し早いように感じる方も居るかもしれませんがよしなに。例によって放映季順、他順不同、他意はありません。敬称略。視聴した作品からのみの選出で、選出基準もいつもと同様に 「とにかく好きなOP」 です。 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 / 春擬き 孤独であることの是非を問い掛けるようなモーショングラフィック。「物が欲しい」と心からの叫びを投げつけ続けてきたこの作品の代名詞足り得るオープニングであったように思います。誰も居ない世界に一人佇む八幡とその影に交差しながら遠ざかる “物” の行方。「今なんだ」の歌詞に向け、幾重にも寄せられた感情には強く胸を打たれてしまいました。おそらくは完成版放映までの繋ぎであった映像ですが、このPVにこそ作の矜持が託されてい

    テレビアニメOP10選 2015 - Paradism
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