先ほど見てきた。あ、ねたばれ注意でお願いします。 ます本作の特筆すべき点は、女性の解放を謳うバービーと男性社会、その両者が表裏一体の存在である、とはっきり言い切っている点である。それもバービーの生みの親であるルースハンドラーの口を借りて、である。私はこのセリフ、妙に腑に落ちたのである。 というのも、作中の言葉を借りるならば、両者は辛い現実を乗り越えるための、ある種の幻想や虚像なのだということ。イデオロギーと言い換えてもいい。そうした主義主張は、しばしば「こうあるべき」、みたいな規範を強制することもある。 マーゴットロビーのバービーが、平和でハッピーなバービーワールドからこちら側の世界にやってきて、苦労の末ようやっと出会った目当ての少女から「お前はフェミニズムの退行を招いた」ときて、挙句の果てに「このファシストが!」と罵られるシーンがある。しかも歯をむき出しにして、である。彼女に言わせれば、