毎度毎度、想像もつかないような、それでいて幼いころに一度は考えたことがあるようなユーモアあふれる絵本で驚かせてくれる、ヨシタケシンスケさん。新刊が出れば必ず話題になり、子どもはもちろん大人まで虜にしてしまう。そんな彼の新しい絵本が『それしか ないわけ ないでしょう』(白泉社)だ。 本作品は、主人公の女の子におにいちゃんが放った「みらいはたいへんなんだぜ」というひとことから始まる。それを聞いた女の子はショックを受け、おばあちゃんにそれを伝えに行く。 しかしそれを聞いたおばあちゃんは、「だーいじょうぶよ!」と笑い飛ばす。おとなの言うことはたいてい当たらない。「みらいは たーくさん あるんだから!」と、女の子を安心させる。そしてこの言葉が、女の子の想像力をかき立てる。例えば「まいにちウインナーのみらい」「まいしゅうどようびはクリスマスのみらい」など、女の子の世界はどんどん広がっていく。 子どもの