中央アジアの保守的なイスラム教国家で、誘拐婚の風習も残る。そんな国で、たったひとりで女性の権利を訴える20歳の女性がいる。キルギス共和国のファーストドーター、アリヤ・シャギエワだ。 2017年4月11日、アーティストで人気ブロガーでもあるアリヤは、1枚の写真をSNSにアップした。そこには、生まれたばかりの息子タイルに授乳する彼女の姿があった。写真には「女性の体に対する世間の目」「母性崇拝」「公共の場で授乳する権利」について、彼女の見解が添えられていた。 この写真が、大きな波紋を呼ぶことになる。 大統領の娘と呼ばないで アリヤは、キルギス共和国第4代大統領アルマズベク・アタンバエフの末娘で、現在20歳。アーティストとしてネット上で有名になり、メディアに紹介されたこともある。だが、父親の地位を利用する気は毛頭ない。むしろ、本当の苗字が知られないよう気をつけてきた。 「家柄のせいで、人から好奇の