(2012年12月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 3年前の衆議院選挙では民主党が地滑り的な勝利を収め、54年間ほとんど途切れることなく続いた自民党支配を終結させた。 マツモト・タカシさんにとって、あの出来事は別の時代のことのようだ。千葉県出身の看護学生のマツモトさんは2009年、日本経済を再生させるとの公約に引かれて民主党に1票を投じた42%の有権者の1人だった。だが、日本が12月16日の投票に向けて準備を進めている今、あの時の高揚感は彼にはない。 民主党には失望したが、他党には困惑 「どの党を支持すればいいのか分からない」。郵便局員や消防士の仕事を経験した後、先行きの明るい分野に進もうと学校に入り直したマツモトさんはこう話す。「みんな民主党には失望している。でも、それに取って代わるほかの党には困惑している」 衆院選まであと10日。まだ投票先を決めかねている有権者は多い(写真は福島