第一話では、「心がどこにあるか」という話題が取り上げられ、それには脳が重要な役割を果たしているということでした。 今回は、その脳がどのような構造をもっていて、それがどのようなしくみで働くかに焦点を当てて話しを進めたいと思います。 「心」がどのように形成されるかは非常に難しい問題ですし、今後もこのシリーズでそれに関する話題が展開されると思われますので、 今回はその基礎となる神経系の働きと脳の高度なしくみの一面をお話ししたいと思います。 ヒトの臓器でも肝臓などでは同じような細胞が集団を成し、それがひとかたまりとなって栄養素の消化や体に必要なたんぱく質の合成などをしていますが、大雑把に言ってしまえば『肝細胞の集団=肝臓』と言ってもそんなに大きな間違いではありません。したがって、肝臓の機能を詳しく知りたければ肝細胞を詳しく調べればかなりのことがわかります。それに対して、脳や脊髄などの中枢神経系は、