先週、映画「ナイル殺人事件」を観た。旧作も観たはずなのだが、鳥頭ゆえ綺麗に忘れていた。忘れっぽいといろいろお得だ。確か漫画家の大和和紀さんも「内容を忘れるため、同じ時代小説を何度でも楽しめる」と語っていた気がする。 漫画家で思い出したが、川原泉さんが古本屋でミステリ文庫を買い込み、ほくそ笑みつつページを開いたところ、登場人物紹介ページに「←こいつが犯人」と書き込みがあるのを発見し、本を投げ捨てた――という逸話を披露していた。それは確かに読む気が失せるだろう。 しかし、内容を映像で把握してから、原作と比べて読むのも悪くない。 図書館で予約をする際は、好みのジャンルのうち「出版日が新しいか」「文字が読みやすいか」で決める。内容が良くても触れるのが躊躇われるほど汚れている書籍や、文字が小さすぎるもの、薄すぎるもの、読みにくいフォント、行間が詰まりすぎているもの、ページが発光しているものは、やはり