貧困が戦略的リスクになりうるという考え方は、必ずしも広く一般に受け入れられているものではない。しかし、南アジア諸国における内部紛争のほとんどは、貧しい人々の置かれた生活環境や政治状況にその根本的原因があると考えられる。 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは、最もよく知られた例であるが、パキスタンのマドラサ(イスラム神学校)における宗教教育とそのネットワークがその思想の根源となっている。授業料が無料であるばかりでなく部屋も食事も与えてくれるイスラム神学校は、パキスタンの辺境に暮らす貧しい人々にとって、息子に教育を受けさせるためにとりうる唯一の、そして、きわめて魅力的な選択肢である。こうした事情を熟知し、利用することによって、イスラム神学校は貧しい家庭から生徒を募った。集められた子供たちは、確かに教育を受けたが、同時に、アフガニスタンやパキスタンにイスラム原理主義国家を樹立し、その覇
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く