私たちが普段行っているソフトウェア・システム開発には、他の製造業と大きく違う点があります。 それは、モノができあがるまでに掛かるコストの殆どが人件費であるということ。 他の製造業において、原材料, 加工に使われる電気, 洗浄のための水など費用が占める割合を考えれば、これはかなり特殊な形態です。 (厳密に考えるならば、そうした費用も最終的には人件費に行き着くわけですが、ここでは措いてください。) ところで、この「人件費」とはいったい何でしょうか? 辞書的な定義を引くならば、人を雇用することによって発生する費用のことですが、そうした言い換えはあまり実用的とは言えません。 その性質に着目した理解の仕方をするならば、それぞれの被雇用者が有しているエネルギーや知識・技術といった所謂「労働力」を調達するためのコストである、と言えるでしょう。 この労働力のうち、使われたエネルギーあるいは、為された (物