紀伊半島沖の海底で、東南海地震と南海地震の震源域にまたがる東西200キロ以上の断層を、東京大学と海洋研究開発機構の研究チームが発見した。 二つの震源域にかかる巨大断層の発見は初めて。宝永地震(1707年)などの連動型地震で、この断層が大きく動き、津波の発生源となった可能性がある。 駿河湾から四国・九州沖に延びる南海トラフ沿いには、紀伊半島・潮岬の東側に東南海地震、西側に南海地震の震源域がある。研究チームが海底の地形や地下構造を分析した結果、潮岬を挟んで東西200キロ以上にわたり、海底が数百メートル以上も隆起し、プレート(岩板)境界から枝分かれした巨大断層があることが分かった。1944年の東南海地震では、この断層の一部が動き、津波の発生源となったことが判明している。