変化の時代には“経験則”を共有しよう 「誰にもルールが分からない」。この本の一番はじめに書いてある言葉です。誰にもルールが分からないと言いながら、なぜ“ルール”について語るのか。ここをよく理解することが本書『魂を売らずに成功する-伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52』(英治出版)を楽しむカギです。 『訳者からのメッセージ』によれば、「この本の原題である『Rules of Thumb』とは、『理論ではなく経験に基づいた法則』といった意味の慣用句」とのこと。つまり「個人的な経験則を集めた(だけの)本ですよ」とタイトルでうたっているわけです。実際、本書には著者が結晶化した理論があるわけでもないし、参考文献のリストもありません。こういう本が尊敬を集めるのは通常は難しいことです。ネット書店の書評でも「著者が言っていることは個人的な経験に過ぎない」といった批判的なレビューを見かけます。 で