素粒子のニュートリノが光よりも速く飛ぶとする実験結果を今年9月に発表した名古屋大などの国際研究チームに参加するイタリア核物理学研究所は18日、精度を高めた再実験でも、超光速を示す同じ結果が得られたと発表した。 研究チームは、人工的に生成したニュートリノをスイス・フランス国境から飛ばし、約730キロ離れたイタリア・グランサッソの地下で検出。再実験では、ニュートリノの生成原料となる陽子を飛ばす時間を短くして速度測定の精度を高めたが、結果は同じだった。 研究チームは「最終的な結論を出すには他の研究機関による追試が必要」としており、超光速をめぐる議論はまだ決着していない。日本の物理学関係者によると、当初の実験は、陽子を飛ばす時間が長すぎたことが一因で測定誤差が生じたのではないかと指摘されていた。