星野リゾート代表の星野佳路代表は、ファミリービジネス(同族経営)の研究をライフワークとしている。その研究成果を『星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書』にまとめたのは、2019年のこと。しかし、その後も取材、研究は続いている。今回のテーマは「老舗の変革」。伝統工芸のブランド化を推進する創業206年の老舗、玉川堂を取材した。若い後継者だからこそ実行できた大胆な施策とは。そして先代のベテラン経営者が、若い後継者への大胆な権限委譲に踏み切れた理由とは?(構成/小野田鶴) 【写真】女性の職人が開発してヒット商品となった、玉川堂の一輪挿し * * * ――玉川堂(ぎょくせんどう)は、新潟県燕市に本社を置く、創業206年の老舗。無形文化財に指定されている「玉川堂の鎚起(ついき)銅器」の製造・販売を手掛けています。 7代目の玉川基行社長は、大学卒業と同時に家業の会社に入社すると新しい販路を開拓し、ブ