ベトナム北部のモンカイ郊外にある寺院の本堂。ベトナムは東南アジアの国だが、中国文化の影響を受けた大乗仏教(北宗仏教)が強い。読経の際はベトナム語発音の般若心経を読み、僧侶が磬子や木魚を叩く。2019年6月25日、安田峰俊撮影。 近年、日本社会ではベトナム人の増加がいちじるしい。2010年の法務省の統計では4万1781人だった在日ベトナム人人口は、いまや45万7645人(2021年6月現在)。ほぼ10年間で約11倍になった。在日外国人の国籍別人数でも韓国人を追い抜き、1位の中国人の74万9147人に次ぐ。 【写真】この記事の写真を見る(8枚) ところで、近年になり急拡大を続ける在日ベトナム人社会の、「文化的拠点」はなにかご存知だろうか。それは寺院だ。ベトナムは社会主義国家なので、統計上は国民の70~80%が無宗教……ということになっているが、実際は仏教を信じる人がかなり多い。 複数の証言を総