奈良県立民俗博物館(大和郡山市)の展示室の公開が、16日から休止される。収蔵品の整理と老朽化した電気設備の改修を進めるためで、令和9年度中の再開を目指す。同館では、収蔵資料の保管場所が足りていない状況が続いており、山下真知事は10日の定例記者会見で「ルールを決めた上で価値のあるものを残し、それ以外のものは廃棄処分することも検討せざるを得ない」との見解を示した。 同館は大和民俗公園内に昭和49年に開館。大正から昭和初期の生活用具や農具、国重要有形民俗文化財の「吉野林業用具と林産加工用具」など計約4万5千点を収蔵している。ただ、県民から寄贈された資料などが膨らみ、本館の収蔵スペースだけでは足りず、旧高田東高校や旧郡山土木事務所の空いているスペースに仮置きしている。 会見で山下氏は、「物を保管するのはコストがかかるので、見合うだけの価値があるものしか引き取るべきではなかった」とし、「文化財に指定