アルウィンに鳴り響く勝利のホイッスル。だが、「90パーセントくらいは手にしたと思った」(大月弘士社長)というプレーオフ進出の夢は惜しくも叶わなかった。 ハーフタイム、智将はある策略をめぐらせた。 船山貴之のPKで前半を1-0とした松本山雅。反町康治監督は前半からスタッフをベンチ横に置き、細かく他会場の途中経過を入手しながらプレーオフ進出に必要な条件を周到にシミュレーションしていた。 前半を終えた時点で松本山雅の暫定順位は5位。そのまま全会場が終われば、逆転でのプレーオフ進出が決まる。少しでも優位な立場で試合を進めたいと考えた指揮官は、選手たちがロッカーアウトする時間を通常より2分ほど引き伸ばし、後半開始を他会場よりも遅らせるように配慮した。そうすればライバルたちの動向を窺いつつ、自分たちの試合終了と同時に答えが出る。まさに深謀遠慮。もちろん選手たちには得点経過やロッカーアウトを遅らせた理由