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ブックマーク / ogwata.hatenadiary.org (68)

  • 本日の漢字小委員会での議論を考える - もじのなまえ

    さてさて、新聞社・通信社の記事もある程度出揃ったようです。 字体混在で議論紛糾=意見の4割「統一を」−新常用漢字めぐり・文化審(時事通信) 「常用漢字」の新名称検討 文化審・小委で議論(共同通信) 「常用漢字」改め「基漢字」? 文化審漢字小委で議論(産経新聞) それにしても、同じ会議を見ていながら、こうも視点が違うとは面白いですね。 それはさておき、まず会議終了後に氏原主任国語調査官に話を聞いたので、その報告から。ここでは官僚を数人の記者が囲んでいる光景をご想像ください。つまりぼくだけでなく数人の記者がおり、思い思いに質問や感想などを言い合っています。まあ録音しているわけではないので、細部まで正確なわけではありませんが、大意は以下のような感じ。 小形:今日は字体についてずいぶん反対意見が多く出たが。 氏原:いや、賛成意見だって多かったと思いますよ。 小形:漢字ワーキンググループのメンバー

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  • 第35回漢字小委員会、議論の焦点は許容字体の示し方 - もじのなまえ

    日、午前10時より第35回漢字小委員会が文科省東館庁舎内の会議室で開催されました。この日の議論は資料2「意見募集で寄せられた字体にかかわる意見の一覧」、及び資料3「「新常用漢字表(仮称)」の名称について」に沿っておこなわれましたが、2時間のうちほとんどは前者に対するもので費やされることになりました。 なお、いつものように配布資料は小熊さんのページから入手してください。 まず氏原主任国語調査官から資料2(上述)と参考資料1「追加字種191字に含まれる該当字体の出現頻度一覧」の資料説明。いずれも読めば分かる程度のものなので、ここでは省略。どの資料も圧倒的にいわゆる康煕字典体の方が頻度が上であることを示しているとのこと。 なお、一点だけ資料に説明のないものを書くと、参考資料1にある「〈付〉追加字種における「字体別(同一字種)」出現頻度例」末尾の「参考」は、常用漢字表制定(1981年)にあたって

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  • 第3回ワークショップ: 文字の公式レポートが公開 - もじのなまえ

    7月18日に花園大学拈花館*1で開催された「第3回ワークショップ: 文字」の公式レポートが公開されています。 「第3回ワークショップ: 文字 ―新常用漢字表を問う Part 2― 兼「文字研究会」(仮称)設立準備会」レポート ぼく自身の発表については、先日のエントリで配布資料を公開しましたが、ここでは個々の発表について、簡にして要を得たまとめをしてくれています。もろさん、グッジョブ! 個人的には高田さんと、もろさんのご発表が非常に参考になりました。とくにもろさんの発表は考えさせられました。じつは「字体」という考え方はそんなに安定的なものではないのです。 漢字の字体について、もっとも早いまとまった文献は、おそらく当用漢字字体表です。そしてそれを継承・発展したのが常用漢字表です。しかしそこでの考え方を突き詰めていくと、いくつか抜けているところがあります。「ここで言う〈字体〉と、ここで言う〈字体

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  • 第3回ワークショップ:文字での配布資料を公開 - もじのなまえ

    先日、京都の花園大学で開催された第3回ワークショップ:文字―新常用漢字表を問う Part 2での配布資料を公開します。 漢字小委員会における審議の実際 ―字体をめぐる対立を題材として― (zip 6.4MB) zipファイルの中には2つのPDFファイルが同梱されています。 漢字小委員会における審議の実際.pdf 字体をめぐる各委員の意見の変遷.pdf 前者は画面資料です。それから、この発表では第27回〜30回の漢字小委員会における各委員の字体についての発言を、強い反対、弱い賛成/弱い反対、発言/言及なし、強い賛成の4段階(他に「原案作成者」を合わせれば5種類)で分類しているわけですが、その判定の根拠とした発言を収録したのが後者のファイルです。 この「字体をめぐる各委員の意見の変遷.pdf」はそのまま字体をめぐる主な発言集(ただし、漢字ワーキンググループを除く)となっています。詳細なやりとり

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  • 追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字 (ver.21) - もじのなまえ

    6月27日のエントリ、「追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字」のつづきです。たくさんのご意見、感謝いたします。以前のものより少しはまともになったのではないでしょうか。 「竜」と「龍」は、前者が南北朝までさかのぼる字体なので、新旧の字体とは考えませんでした。とにかく、いわゆる康煕字典体の定義そのものが一意に定まらないので、どうしてもこういう対照表はむずかしいですね。一覧表ではなく、あくまで一例を並べたものとしてご覧いただければ。 ひとまず基的に「明朝体活字字形一覧」を参照して判断していきました。したがって、例えば「獎」はここでは取り上げないことにしました。 ※追記:Unicodeさんのご指摘を受けて修正したものに差し替えました。

    追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字 (ver.21) - もじのなまえ
  • Microsoftが総括「Windows Vistaにフォントの混乱なし」 - もじのなまえ

    あまり時間がないので短くご報告。 Microsoftの「Windows 7向けJIS90互換フォントパッケージの提供と今後について」記者説明会に行ってきました。これについてはプレスリリースも出ています。 Windows(R) 7 向け JIS90 互換フォントパッケージの提供 より詳しくはINTERNET Watchの記事などをご参照ください。 マイクロソフト、JIS90互換フォントの提供はWindows 7で最後 細部は記事にゆずるとして、ぼくが重要だと思ったことは以下の点です。 Windows Vistaによるフォント変更について、同社コールセンターに対し、クレームの電話は1件もかかってきていない。 Microsoftは(今のところ)この件について、ユーザーに大きな混乱は発生しなかったと考えている。 Windows Vistaでフォント・デザインが変更されたことについては、2006年に

    Microsoftが総括「Windows Vistaにフォントの混乱なし」 - もじのなまえ
    ardarim
    ardarim 2009/07/14
    MSの報告を額面どおり受け取れるかどうかは疑問。一般ユーザは多少字形が違う程度じゃいちいちクレーム上げないと思う。下手すると気付いてないかも。企業ユーザはそれなりに自衛してるだろうし。
  • MiAU勉強会の反省 - もじのなまえ

    前回のエントリでご案内した第4回 MIAU勉強会ですが、ぶじに終了。その画面資料ですが下記にて公開します。 RFCから見た新常用漢字表の矛盾と整合 以前にも書きましたが、自分の仕事については誉めてくれるより批判的な意見の方がより参考になります。参加者のご意見で最後に発言してくださった方が、文字コードの話の部分と新常用漢字表(仮)の部分とで違和感があるという趣旨の指摘をしてくださいましたが、あらためて画面を見直すと、たしかにそうだなあと。 会場では別の部分でお答えしたのですが、振り返ってみればもっと違う言いようがあった。わざわざ来てくださった直井さんも、後半が飛躍しすぎといっていたけど、おそらく同趣旨のことではないか。 この発表を考えていた際、ずっと思っていたことは、「一部のRFCやXMLで規定されている互換漢字の置き換え処理/使用禁止と、常用漢字表の考え方の間には共通点があるように思えるが

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  • 追加字種と部分字体が衝突する現行の常用漢字 - もじのなまえ

    新常用漢字表で追加される191字について、よく字体の不統一などと言いますが、さて、どの字がどのくらい不統一になるのか、今まで調べていませんでした。そこで追加191字のなかから、現行の常用漢字と部分字体が衝突する字を探して一覧表を作ってみることにしました。 ちょっと注意が必要なのが、たとえば「茨」。これは「次、姿、盗」等の部分字体「二」と衝突するわけですが、これは二水ではありません*1。したがって「凍、冷」等とは衝突しません。当用漢字字体表で両者を包摂した故に、こういう事態が発生したわけですが、それを新常用漢字表で分離しようとしているわけですね。ややこしいったらありゃしない。他に入屋根(全)と人屋根(今)の区別なども同様です。 複雑なのが「煎、嘲、喩、詮」の4字でして、「煎、嘲」は舟月、「詮」入屋根、そして「喩」は両方の合わせ技です。 このようにだぶりがあるので一概に計数できないのですが、単

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  • JIS X 0213は改正しないと新常用漢字表に対応できない? - もじのなまえ

    書いておかないと忘れそうなのでメモ。 前日のエントリに対するUnicodeさん、mashabowさんのご指摘について調べるうちに、ハタと気づいたこと。 完全に見落としていたのですが、今までなんとなく「新常用漢字表」の「(付)字体についての解説」の「1 明朝体のデザインについて」は、表外漢字字体表におけるそれと下位互換だと思っでいたのですが、まったくの思い違いでした。 表外漢字字体表の「表外字だけに適用されるデザイン差について」(漢字使用の実態への配慮から、字体の差と考えなくてもよいと判断したもの)で挙げられていたものを、新常用漢字表はまったくふれていません。そもそも新常用漢字表における「1 明朝体のデザインについて」は改定されていません。 表外漢字字体表で挙げられているうち、新常用漢字表の追加字種に関わるものは以下のとおりです。 A 画数の変わらないもの (2) 傾斜・方向に関する例 (3

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  • 講師二題 - もじのなまえ

    以下のような二つのイベントで講師をつとめます。 第4回 MIAU勉強会「インターネット標準(RFC)から見た新常用漢字表の矛盾」(2009年7月3日(金)) 「第3回ワークショップ: 文字 ―新常用漢字表を問う Part 2― 兼「文字研究会」(仮称)設立準備会」のご案内(2009年7月18日(土)) 両方とも新常用漢字表がらみです。前者は国際的な規格であるRFCから新常用漢字表はどのように見えるかを話します。内容としては審議が進む「新常用漢字表(仮)第2部第8回 インターネット時代と互換漢字(INTERNET Watch)で書いたようなことが基礎になります。MIAUは自らの意思実現を目的とした一種の政治団体ですね。だから、政治的な対立軸として言語政策を考えられればと思っています。 基的には会員向けの勉強会ですが、会員以外でも会費を払えば参加可能です。また入会すれば会費は無料です。たぶん

    講師二題 - もじのなまえ
  • とっても残念――NHKクローズアップ現代 - もじのなまえ

    さきほど放映が終わったところですが、すぐ出かけなければならないので手短に。 とても期待していたのですが、一言でいって非常に残念な出来だったと思います。見ている最中に奥さんが話しかけてきたので、きちんと見ていないところもあるのですが、もしかしたら印刷字体という概念を抜きにして番組が構成されていなかったでしょうか? 「衣」の4画目の撥ねを分けるのは明朝体(印刷字体)特有の表現ですし、一点と二点のしんにょう(謎)を楷書同士で比較するというのは、よけい話を分かりづらくするだけと思います。 放映が終わった後、歌謡番組の予告で、楷書のソ形の「絆」がで出てきたので、思わず笑ってしまいました。こういう実態をきちんと説明すればいいのになあ。

    とっても残念――NHKクローズアップ現代 - もじのなまえ
  • 二つの顔を持つ神 - もじのなまえ

    幸いなことに先週末に掲載した絵文字が開いてしまった「パンドラの箱」第4回は好評をもって迎えられた様子。ブックマークしてくださった方々が、さきほど確認したら360人。これは第1回の693人には及ばないものの、第2回、第3回を上回る数字であり、素直に喜んでいる。 また、ネット上でも拙文に触れてくださる方々が大勢いらっしゃり、折りにふれて楽しく拝見している。こういう場合、書いた人を触発するという意味では、肯定するよりむしろ批判する文章の方に軍配が上がる(もちろん誉めてくれるのは無条件にうれしいのだけれど)。 「そうか、こういう考え方があったのか」「そういう受け取られ方をしたか」ということです。こうした直言は親しい人や編集者はなかなか言ってくれないことだから、なるべく素直に受け止めたいと思っている。誤解や曲解も含め、あらゆる反応は筆者にとって良い糧になりうる。鰯や秋刀魚のように骨まできれいに

    二つの顔を持つ神 - もじのなまえ
    ardarim
    ardarim 2009/06/09
    「UnicodeとISO/IEC 10646は文字集合を共有する。しかしその内実は明らかに互いに矛盾している」 一体だと思ってたけどそうでもないってことか…
  • 明朝、CNETに絵文字の原稿が掲載 - もじのなまえ

    5日の朝6時以降に公開だそうです。 絵文字が開いてしまった「パンドラの箱」第4回--絵文字が引き起こしたUnicode-MLの“祭り" 今回は、絵文字をめぐって勃発したUnicode公式メーリングリストでの議論を紹介します。ここで去年12〜今年2月にかけて1,000通以上のメールが行き交う、絵文字についての大論争が発生したんですね。 たしか3月の京大東洋学セミナーに行った際、早朝のマクドナルドで必死に翻訳をやっていたのがなつかしい(といっても電子翻訳)。あれからもう3ヵ月近くか、原稿書くのが遅いですね……。 今回は前までの倍近い分量なので*1、今まで通り多くの方々に読んでもらえるか心配です。翻訳その他の監修をご快諾いただいた師茂樹さん、直井靖さん、それにCNET翻訳チームに感謝感謝。 この後、WG2ダブリン会議のことを書いて完結。いつ終わるのかなあ。いや、来週には書き終えるぞ! *1:ちな

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  • [新常用漢字表] 第32回漢字小委員会に行ってきた(修整あり) - もじのなまえ

    主なトピックは以下のとおり。 新たに7月28日に審議が追加されることになった。(資料3) それとは別に、新たにフォント・文字コードに関する懇談会を開き、専門家に話を聞くことになった。 電子機器等の専門家が委員にいないこと、現に試案で二水のデザイン不統一が生じていること等に対処するため等の指摘に応えたもの 今週中に委員は質問事項を文化庁に送付、これをもとに漢字WGが人選をおこなう 開催日は6月下旬を目途に調整する 公開・非公開は漢字WGであらためて考える(一部委員より自由に質問したいので非公開を希望との声あり←傍聴者がいると、聞きたいことが聞けないのか……) 主に批判的な意見を中心にまとめた新資料が配付、これに沿って審議がおこなわれた。 資料2「意見募集で寄せられた意見(基的な考え方)に関するメモ」 賛成意見は委員会としてとくに議論する必要がないわけで、むしろ議論の必要のある意見をまとめた

    [新常用漢字表] 第32回漢字小委員会に行ってきた(修整あり) - もじのなまえ
    ardarim
    ardarim 2009/06/03
    フォント・文字コードの話って常用漢字に直接関係ない話のような気がするけどなあ
  • [新常用漢字表] 「"鬱”を追加しないでください」 - もじのなまえ

    昨日の漢字小委員会で、元中学校長の松村委員から、興味深いエピソードが披露されました。 委員会の前日、彼女が昨年まで在職していた中学の運動会に出かけた時のこと。帰ろうとすると3人の女子中学生に声をかけられたそうです。 立ち止まって話をしていると、一人があらたまった口調で「先生、"”を追加しないでください!」と急に言ったそうです。「私にはあんなにむずかしい字は書けません」と。松村委員はこのエピソードに関してとくにコメントを加えず、あったことのみを伝えるという感じで発言を終えました。 議論の流れとしては、県名漢字を小学校4年生で教える漢字に追加しなければならず、教育現場は新常用漢字表の影響を受けざるを得ない旨の指摘がされた後の発言でした。 しばらくして井田委員が、このエピソードに直接言及して、概略つぎのようなコメントをしました。「もしかしたら、中学生の発言は、不安の表れではないか。新常用漢字表

    [新常用漢字表] 「"鬱”を追加しないでください」 - もじのなまえ
    ardarim
    ardarim 2009/06/03
    常用漢字表の存在意義をもっと啓蒙するところから始めないと国民の理解は得られそうに無い。「鬱」はさすがに空では書けないなあw
  • 大正15年の漢語整理案に障碍→障害の言い換えがあった - もじのなまえ

    ある方からのお知らせで、「 障碍→障害」の言い換えが、戦前の臨時国語審議会による「漢語整理案」にあることを知りました。 これについて調べてみました。 「漢語整理案」は官報附録雑報において、大正15年7月〜昭和3年12月の15回にわたり掲載されたものです。その目的を冒頭で以下のように言っています。 案は常用漢字の官行を円滑ならしめ、ひいては国語の健全なる発達を促さんがため、常用漢字と仮名を用いて文章を書き綴り得るよう漢語を整理したものである。(後略) 「障碍(礙)→障害」が「漢語整理案の三」(大正15年12月15日(4294号)にあります。 「漢語整理案」は後に五十音順に配列し直した資料が(図書館などで探せば)入手可能ですが、他ならぬ漢字小委員会で第17回で初出資料が配付されていました。 参考資料2 臨時国語審議会「漢字整理案」(大正15年7月〜昭和3年12月) この資料が配付されたいきさ

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    ardarim
    ardarim 2009/06/01
    外来語に置き換えるなんて、なんと古くて新しい発想か。結局世間には受け入れられていないようですが。
  • 国語施策における漢字表の存在意義について - もじのなまえ

    おそらく、この指摘に関する議論が、もっとも深い広がりが期待できるように感じています。まずnazokouさんのコメントから引用してみましょう。 地方自治体の交ぜ書き採用で「障がい者のための『障害者手帳』」のような文章すら見受けられる状態の方が好ましくないと考える(2009/05/14 17:43) 事実として行政(特に中央省庁)文書の用字が常用漢字表及び「同音の漢字による書きかえ」に拘束されていること、そして地方自治体がなし崩し的に交ぜ書きを採用している為に前述のような混乱が拡大している(2009/05/14 17:43) 常用漢字表が「行政文書に対しては強制力を持っている」(2009/05/15 17:00) できれば〈「障がい者のための『障害者手帳』」のような文章〉とは、どこの自治体が、どのような文書で使ったのか、これは当だとしたら興味深い例となり得るので、ぜひ示していただきたい点です

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  • 「しょうがい/しょうがいしゃ」の表記について - もじのなまえ

    まずは「しょうがい/しょうがいしゃ」に関して。これは「碍」という漢字を新常用漢字表に入れるべきかどうかという議論でもあります。これについて、nazokouさんのポイントと思われるのは以下の部分。 医学用語の「障害」と仏教用語の「障碍」は元々、別物だったのにある時期から混同された。その時期は「俗説」の1946年でなく明治時代まで溯れる。そうだとすれば、それは複数の選択肢がある中で1946年の当用漢字表制定に際してよりネガティブな意味の強い「害」に統一されたことを意味します。(2009/05/15 17:00) 元々は別物(同音異義語)であった「障害」と「障碍」が明治のある時期に混同された中で、同じ意味の場合はどちらかと言えば「障碍」の方が多く使われていた(小川氏の調査でもその傾向が見て取れる)のに対し、1946年の当用漢字表と10年後の「同音の漢字による書きかえ」が同音異義語としての「障害」

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  • 第32回漢字小委員会速報 - もじのなまえ

    日、午前10時より文科省講堂にて第32回漢字小委員会が開催、いよいよパブリックコメントで寄せられた意見の検討作業が始まりました。 この日の議題は前回のエントリでも書いたように、試案のうち「基的な考え方」と「字種」を審査することになっています。これに対応する資料として、前者には「資料2 意見募集で寄せられた意見(基的な考え方に関する意見)」、後者には「資料3 意見募集で寄せられた意見(追加及び削除希望字種一覧)」が配布されました。 たぶん小熊さんがいつものように複写してくださるのではないかと思いますが、資料2の方は試案の「第1章 基的な考え方」の項目ごとに見出しを立て、それぞれに対応する意見が短くまとめて列挙されています。また、資料3の方は希望のあった字を、希望件数、頻度長の順位といった参考情報を付して一覧表にまとめてあります。 ご注意いただきたいのは、この資料2の項目は前述のとおり

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  • 「障害」と「障碍」について(追記あり)  - もじのなまえ

    ちょっと心配していたのですが、夜が明けたら「やっぱりね」という感じ。前日のエントリですこしふれた「碍」の字についてです。 「鷹」「碍」など追加して…新常用漢字試案へ一般意見(朝日新聞) この記事の以下の部分。 「碍」の追加希望は20件。「障害」は戦前は「障碍」などと書いたが、「碍」が当用漢字にならなかった戦後、「障害」への書きかえが定着した。しかし近年、「害」は負のイメージが強いとして、行政文書などで「障がい」と表記する自治体が相次いでいる。今回、まぜ書きは不自然で読みづらいので、来の「碍」を使えるようにすべきだという意見がみられた。 上記のうち、「「障害」は戦前は「障碍」などと書いた」はウソです。戦前から「障害」「障碍」の両方の表記がありました。当用漢字表は制限表ですから、これにより「障害」への書き換えが進んだのはおそらく事実でしょうが、だからといって「障碍」が古く、「障害」が新しいと

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