映画『マネーボール』でブラッド・ピットが演じたオークランド・アスレチックスのGM、ビリー・ビーンは本当に嫌な奴だった。 高慢で自信過剰で自己中心の癇癪持ち。自分の思い通りにいかないと、策略を巡らせて相手を陥れることばかりを考えている。名優フィリップ・シーモア・ホフマンの演技のうまさもあって、いかにも頼りない頭の悪そうな監督に仕立てあげられていたアート・ハウを、これでもかとバカにして最後はニューヨーク・メッツに売り飛ばすのだが、ブラピのいかにもしてやったりの風情がムカついたものである。 おそらく映画ではあまりにいけすかないビーン像を中和するために、原作にはない家族との物語を挿入したのだろう。そんなビーンの人間的苦悩を描くことを緩衝材として、最後もチームのためにボストン・レッドソックスからの巨額オファーを断ってチーム愛に生きているという人情ものに仕立て上げられていた。でも、あんな人を人とも思わ
![東北楽天で打撃コーチが辞任。球団オーナーが現場介入したら……。(鷲田康)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/da47e53e8f01ebe701d0cf090bc8db3239424451/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2Fe%2F-%2Fimg_1e40ed2c1bfd960e798560eb4869b8c6282616.jpg)