私たちはすでに、家族療法において、「ナラティヴ・セラピー」という動きが盛んになったのをみました。ナラティヴというのは「物語り」のことです。心理の問題を抱えた人の多くが、自分を虐げるような物語の中に自分を置いていることが多い。そういう人が生き生きと自分を解放できるようなのびやかな物語を、話し合いながら一緒に編み出していこう、あるいはクライエントが生み出すのを手伝っていこうというのが、「ナラティヴ・セラピー」でした。 )。 だがその新たな物語形成において、問題となってくるのは、そうした新しい物語はどんな風に生まれてくるのか、そのきっかけ、契機は、どういうものなのか、という問題であす。
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