東京オリンピックの中止を求めるメッセージを掲げ、四条河原町の交差点に立つ那須開登さん=2021年5月30日、本人提供 「東京オリンピックの中止を求めます」。こう手書きされた段ボールを手にした男子高校生が5月末、一人で街頭に立った。無言で抗議の意を示す「サイレントスタンディング」。様子がツイッターに投稿されると反響を呼び、「参加したい」という仲間も現れた。たった一人から始まった活動が、静かに広がっている。 【五輪選手村、内部公開】 京都市左京区の高校1年、那須開登(かいと)さん(15)。大阪出身で父親が米国人、母親が日本人。一時、米国に在住していたこともある。バイデン氏が勝利した2020年の米大統領選を巡る討論会を見るなどして、社会問題により関心を持つようになったという。 東京五輪・パラリンピックは「福島第1原発の事故後、国としてまだうまく回っていないのに、五輪に注力するのだろうか」と疑問を