難民をめぐる悲痛なニュースが相次いでいる。8月27日、ハンガリー国境付近で保冷車からシリアなどからの難民とみられる71人の遺体が発見された。9月に入ってからは欧州に逃れようと家族で乗り込んだ船が遭難、トルコの海岸に漂着したシリア人男児、3歳のアイラン君の遺体写真が世界に大きな衝撃を与えた。 この報道を受けて、さらなる受け入れには消極的だったイギリスのキャメロン首相が一転してシリア難民受け入れを表明したほか、オーストラリア、ニュージーランドなども同様の意向を示した。増加する難民への政策を当初から講じていたドイツ、オーストリアでは市民による支援活動が活発化しているとの報道もある。 冒頭の事件はあまりにも衝撃的だったため日本でも大きく報じられたが、言うまでもなく氷山のごく一角にすぎない。中東・アフリカ地域から欧州をめざす難民の船の事故だけでも、2015年は既に2000人以上が命を落としている。命