組織トップの野村悟容疑者(67)が殺人などの疑いで逮捕された工藤会(北九州市)で、傘下の暴力団が首都圏に組事務所を構えていることが警察当局への取材でわかった。工藤会の勢力範囲はこれまで福岡、長崎、山口の3県とされている。工藤会は市民らに繰り返し暴力行為を行う可能性があるとして、全国で唯一「特定危険指定暴力団」に指定されており、警察当局は動向を警戒している。 組事務所があるのは、JR松戸駅(千葉県松戸市)から約700メートルの住宅街にある4階建てビル。捜査関係者によると、千葉、福岡両県警などが今年5月に家宅捜索したところ、防弾用とみられる鉄板やホルマリン漬けの小指が見つかり、警察当局が首都圏で初めて工藤会系の組事務所と認定した。 この建物と土地を2011年7月に購入したのは、松戸市に暮らす元暴走族の30代男性。福岡市の工藤会系2次団体の若頭(ナンバー2)と定期的に連絡を取っていたことが確