今村夏子のデビュー作『こちらあみ子』を読了した。 先日芥川賞を受賞し、話題となっている作家だ。連日のようにネット記事が目に入り、読んでいるうちにとても興味を惹かれてしまった。 処女作品で太宰治賞。それを含めた3篇を単行本化して三島由紀夫賞。2作品目で芥川賞の候補となり、河合隼雄物語賞。3作目でふたたび芥川賞の候補となり、野間文芸新人賞。そして第4作目で芥川賞を受賞したのだ。 なんて凄い受賞歴だろう。出した作品がすべて賞をとっている。さすがにここまで称賛されていると、どのような作家なのかと読んでみたくなった。さっそく第一作である本作品を取り寄せ読んでみた。 なるほど。読み始めてすぐに物語に引き込まれていくのを感じた。少し前に読んだ、村田沙耶香の『コンビニ人間』と似たような雰囲気を感じられた。 読みやすいシンプルな文章ながら、どこか不穏な空気を醸し出す。読者はおどろおどろしい気持ちを抱きながら

