日本銀行が3月にマイナス金利を解除する可能性について、金融市場での織り込みがなかなか進んでいない。遅れているのは、解除後も緩和的な金融環境が続くとの見方が強いためだ。ただ、エコノミストやストラテジストの間では3月解除のリスクを警戒する向きも多く、現実になれば思いのほか金利は上昇するかもしれない。 金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)の推移を見ると、3月のマイナス金利解除(0.1%の利上げ)の確率は29日、日銀の高田創審議委員の発言を受けて20%強だった前日から一時35%強に上昇。しかし、3月までに解除される確率が100%以上になることが多かった昨年後半とは様相が異なる。 物価目標実現が「見通せる状況」、出口の検討必要-高田日銀委員 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは、織り込み不足の背景には年度末の政策変更はないだろうと